三三国志 英雄図鑑
蜀巴郡の太守

厳顔げんがん

断頭将軍はあれど降将軍なし、気骨の老将

生没年不詳#老将#気骨#巴郡#張飛
統率武力知力政治魅力7886685572

人物

益州巴郡の太守として劉璋に仕えた老将。劉備が益州に入ると聞いて「孤立した山奥で、虎を呼び込んで身を守ろうとするようなものだ」と嘆いたと伝わる。張飛が巴郡を攻めると、城を固く閉じて応じず、張飛を苛立たせる。だが張飛の偽装行軍にかかって背後から襲われ、生け捕りになった。張飛が「なぜ降らぬ」と迫ると、「首を斬られる将軍はいても、降る将軍はいない」と言い放つ。その気骨に張飛は感服し、自ら縄を解いて礼を尽くした。これに応えた厳顔は、以後張飛の先導役となり、通りがかる城を次々と説得して開かせた。漢中攻略でも黄忠と「二人の老将」として並び、張郃や夏侯徳を破る活躍を見せる。老いてなお衰えぬ気骨と武勇で、張飛の人物の幅を広げた功労者でもある。

名場面

1

断頭将軍はあれど降将軍なし

張飛の策で生け捕りにされた厳顔は、縄を打たれたまま堂々と張飛の前に立った。「なぜ降らぬ」と怒鳴る張飛に、厳顔は「わが州を侵しておいて何を言う。首を斬られる将軍はいても、降る将軍はいない」と言い返す。斬れと命じられても顔色一つ変えない。その胆力に張飛は階段を駆け下り、自ら縄を解いて上座に招いた。

2

四十五の城を開く

張飛に降った厳顔は、「ここから雒城までの関所は、すべて私の部下が守っている」と告げ、自ら先頭に立って進んだ。厳顔が呼びかけると、城門は戦わずして次々と開かれる。張飛は一兵も損なわずに四十五の城を通過して雒城に到着し、諸葛亮を驚かせた。張飛の寛容が、厳顔の信義を引き出した結果だった。

3

黄忠と二人の老将

漢中攻略で、諸葛亮はわざと「老将には無理だ」と黄忠を挑発した。黄忠が憤然と出陣を願い出ると、「副将は誰にするか」と問われて指名したのが厳顔だった。二人の老将は天蕩山で張郃を破り、夏侯徳を討ち取る。曹操軍は「蜀には白髪の鬼神がいる」と恐れた。若い将に負けぬ戦いぶりに、諸葛亮も「老将あなどるべからず」と感嘆した。

「断頭将軍はあれど、降将軍はなし」

厳顔

正史ではどうだった?

正史でも張飛に捕らえられて「断頭将軍はあれど降将軍なし」と言い放ち、張飛が感服して客分として遇したことは記録にある。ただしその後の消息は正史に見えず、黄忠との老将コンビで漢中を戦った話は演義の創作。劉備の入蜀を虎を招くようなものだと嘆いたのは正史に基づく。